当院では女性医師の数が多く、研修医から管理職などさまざまな世代の女性医師が働いています。院内保育所を始めとする子育てのための施設や、育児時間の保障なども整っています。外来だけの勤務や子育て中の当直免除も可能です。
■千鳥橋病院で働き始めたきっかけは?
濱地:1993年から仕事を始めて、千鳥橋病院にお世話になったのは、ちょうど3年前ですね。ちょっと遅咲きの結婚を機に福岡に転居して、こちらの病院に勤めることにしました。その後、運良く子どもができまして、子育てをしながら仕事をさせていただいています。
それまではフルタイムで働いていたんですが、子どもを産んで生活するのに、フルタイムで働きながらでは、難しいと思ったので現在は嘱託で週4日勤務しています。働きながら様子を見て仕事の加減をしていこうと思っていて、迷惑をかけつつも継続させていただいている状況です。働き方がこれでいいのかはこれから次第ですが、大変充実した毎日を送っています。
寺井:最初の2年間はいろんな病院をローテーションしました。2年間の研修中に最初の子を出産しました。育休なしで仕事に復帰したんですけれども、やはり育休をとると同僚から遅れてしまうので、どのように研修を組むかということを病院や先輩方に相談にのってもらって調整してもらったのがすごくよかったと思います。
5年目で千鳥橋病院に来て、透析室の担当になりました。千鳥橋病院で3人目を出産しましたが、この時が一番大変だったなと思います。急性期の病院でフルタイムで勤務しながら出産・育児するっていうことが大変でした。3人目の時は1年間育児休暇をもらって、産後半年後から外来などで時々勤務していました。ブランクなく仕事に復帰できたかなって思いますね。
東 :もともと農学部に入学して卒業したのですが、地に足をつけた職業にということと、もともと医師になりたいという想いがあったので医学部を受験しました。
現役の学生と比べると、6年遅れて入学になりました。入学時には結婚していて、自分的には早く子どもがほしいなって思っていて、2年目の春休みに1人目の子どもを出産しました。
「子どもは一人育てるより、複数いたほうが楽よ」という自分の親のアドバイスにならって「2人目を!」って思ったら、ついでに3人目もできてしまいました。さすがに双子を産んだ後は自分もバテてしまって、休んだりしたので結局7年かけて卒業しました。
学生時代から寺井先生との交流の場がありました。上の子ども同士が同級生だったこともあり、「女医の話を聞く会」に学生の時から参加していました。研修先を決めるときも寺井先生がいる病院だし、同じ保育園に通わせれば安心と思い、千鳥橋病院を選びました。
■現在の働く環境をどう思いますか?
寺井:出産は3人で終わりにしようかなって思っていたのが、なにかの間違いで(笑)。今さらながら産婦人科で家族計画の指導受けたりして(笑)現在、4人目の育児休暇中なんですが、「ちょっと研修に来ませんか」という声がかかったので、休もうかなって思ってましたが早々に復帰になりそうです…。結局私はいつも休めないんだ(笑)。
常に子育てと働くのと伴走している感じできて、自分が成長したのかなって思うけど、たくさんの方の理解があったからやってこられたっていうのもあるんです。まわりにいる多くの先生とか事務の人に支えてもらったし、それ以外にも保育園とか友達のお母さんにも助けられました。
東 :いつも助けてもらっている先生たちには子どもも奥さんもいて、奥さんに任せっきりっていう男性の先生にばっかり支えられていることにジレンマを非常に感じるんです。だけど、そういう先生たちのおかげで私は早く帰れているという現実もあり、少し複雑に思っています。みんながそれぞれ大変なので、できるところをカバーしあわないと働きやすい職場づくりはできないと思います。そういう意味では、千鳥橋病院は上の先生方の理解があって、「早く帰りなよ」って言ってくれるので、自分のできる範囲でやってこれたなと思います。
子どもには毎日帰りが遅いって文句を言われるし、家はぐちゃぐちゃだし、だからといって仕事がバリバリできてるかっていうと、当直したり休みの日に働いている同期の若い男性に比べると全然足りないなと思うことばかりです。
家のことも仕事もどっちも100%はできてないけれど、子どもがいて家族がいてよかったと思う。医師の仕事ができて、続けられていいなと思うし、同僚と比べると落ち込むことばかりだけど、1年目の自分に比べたら成長してると思います。細く長ーく頑張ります。頼もしい先輩たちがいるから。
濱地:私は12年間、仕事ばかりしてきました。それから結婚、出産だったので、他の2人の先生たちとは歩んできた道は違いますが、これから年をとって苦労しながらやっていくと思います。話を聞いてると、仕事をしながらの子育ては大変だったと思いますが、若いうちに子どもと一緒に成長できるのっていいなと思いました。
■千鳥橋病院で働いてよかったなと思うことは?
濱地:千鳥橋病院は勤務体系の幅が広いですよね。女性医師にとって、それが決め手というか、入りやすいところなのかなと思います。実際私が以前働いていた病院は、結婚して出産となると女性医師はほとんど辞めていました。子どもがある程度の年齢になるまで辞めてしまうのが当たり前みたいな感覚でした。
寺井:幅が広いというのは私もすごく思います。研修も自分で組み立てられる。それに「こうしてください」という意見がすごく言いやすい。普通は研修でこのコースって決まったら、どんなにいい研修施設でも動かせない。そうなると子どもがいて、時間の融通や自由がきかなかったりすると、何ができるんだろうってなっちゃいますよね。でも千鳥橋病院では枠がなくて選択することができたから、いい研修ができたなと感じました。
それに自分がちょっと思ったことを、院長なり研修委員長なりに話すと聞いてくれる。アドバイスもしてくれるし、「そんなの無理よ」とか言われることもあるけど。自分ができるところで病院のためになることなら、新しいことでもどんどん取り入れてくれる。それが勉強しやすさとか、働きやすさに繋がるんじゃないかなと思う。
研修医が見学に来たときに、立派な研修システムや施設がある病院と同じような研修が受けられるとかいうことを選択基準に考えてるのか聞きます。確かにものすごくいい研修っていうのは他の病院にもあるだろうけど、千鳥橋病院のよさは自分でいろいろ開発できることだろうと思います。
東 :希望が言いやすくてそれに相談にのってくれるのもやっぱりいいですよね。
寺井:そうそう、それができるところはいい。
濱地:モチベーションも上がりますよね。私は大学の医局に入って研修したので、いわゆる与えられるがまま、モチベーションが低く、とりあえずレールに乗せられてというところはありました。
千鳥橋病院であればいろんな希望や、普通はできないようなこともできるのでは?それにはどんなことができるのか知らないといけないですよね。いろいろ話を聞いて情報を集めるべきだなと思いました。千鳥橋病院の研修は私がやってきた研修とはだいぶ違うんだなと思いましたね。
東 :初期研修が必修化になっていた私は、最初の2年間は決められたところを回るしかなかったんですよね。決められた部分と、選択で選べる部分があったけど必修で自分が体調悪かったり、自分が回れなかったりした部分を( )。
どこかにしわ寄せがいく分、自分ができるとこは精一杯やる。
濱地:東先生が言われるように、どこかにしわ寄せがくるのは否めないところはありますよね。だから逆に、自分ができるところはしっかりやらせてもらおうという気持ちがはたらくと思うんですよね。やれるときにはしっかりやる。今だけはすいません、できませんと。逃げられないからですね、子育てはやっぱり。
寺井:そう、誰かが代わってしてくれないからね。
■他によかったと感じていることを教えてください。
東 :医局に子どもを連れてきても誰かがみてくれる(笑)
濱地:医局の先生方も事務の方も子ども慣れされてますよね。
先輩の女性の先生方が子育てをしている時は背中に子どもをしょって外来していたと聞きました。
寺井:私が入職した時は子育てしていた先生が少なかった。女性医師も少なかった。だけど、今は医局で話ができる雰囲気。気軽に子どもも連れてこれるよね。
東 :「うるさくてすみません!」って感じではあるけど…。
濱地:ちょっとどうかなと思いつつもしょうがないときは連れてきますけどね。
東 :やっぱり千鳥橋病院は理解がある先生が多いと思う。家のことも心配してもらっていますし。

■要望はありますか?
寺井:医師数を増やしてほしい。私たちが入れない分を全部代わりにやるわけだから先生の母数が少ないと気の毒。つらいよね。
東 :つらいです。余裕があればいいのにね。
濱地:私は今までからすれば天と地の差のような働きっぷりなので、これ以上の要望はないです。満足しています。家事の大変さは加わりましたけど、それは自分自身の選んだ道だし。仕事に関してはいつも夫に「こんな働き方でいいのかな、申し訳ないぐらいのシフトで働いているんだけど。給料泥棒って言われてないか?」って心配されてます。
夫は会社勤めをしているので無理な時もありますが、私が外来で予約が入って絶対外せないときとか、そこだけは半日休みを取ってもらっています。その辺のリレーはしないとしょうがないですね。
寺井:私も夫(千鳥橋病院の医師)と絶対出ないといけないときをずらしてもらうようにしている。夫が外来のときは私が病棟とか。
濱地:本当に家族含め、いろんな協力がないとできない仕事なんだろうなと思います。ありがたいなあと。
寺井:感謝してます。
■女性医師・女子医学生へメッセージを!
濱地・東:とりあえず千鳥橋病院に来てください。それしかないような…。
寺井:いろいろ面倒見てくれる先生はたくさんいますよー。
濱地:働くまでは実際不安でした。働きながら強弱というか時間的な余裕が欲しいって言ったら、そういう選択肢もできるし、逆にもうちょっとやりたいとなればそれも可能です。
だからまずはこういう病院があるということを知ってほしいです。そして、来てみてとりあえず働き始めてみたらいいのではと思います。もうちょっと頑張りたいと思えば、その幅が柔軟性があるものだし、そこをしっかりアピールしたらいいのかな。
東 :4人産んでも大丈夫。後に続く人募集中(笑)
寺井:今の医療の世界はちょっと休んでる間にどんどん変わってしまうので、やっぱり細く長くでいいから働き続けるほうがいいと思います。
何年か休んで復帰するって結構大変です。そういう風になっても一からできないことはないけど、もしフルタイムや今いる職場では難しいって思うんだったら、千鳥橋病院ならいろんな選択肢があるし、続けていける。週何回かでも働いていれば復帰できるスピードが全然違うし、モチベーションも保てる。
育児休暇とかで休みに入ってしまうと、結局ダラダラしてしまう。時間があるから勉強するんじゃないんですよね。目の前の患者さんに必要とされてると思うと、頑張ってる自分がいる。1週間に1回でも2回でも、細く長く続けられる条件があれば、子育てしながら続けられます。もちろんフルタイムでやりたいという人がいればそれにも充分対応できます。
その時々の状況で何とかしてきたけど、そういう時って、いろんな人が私がこういう風に働けるように助けてくれていたと思います。支えるまわりがいてできたことだと思います。
そういう度量は千鳥橋病院はすごくあると思います。私が今あるのは支えてくれた人たちのおかげなので、いつか子育てがひと段落ついたあかつきには、ばりばり返そうかなって思ってるんだけど。
東・濱地:おぉぉぉ〜!
寺井:…なんだけど、この前ある先生から「寺井先生が恩返ししてくれる前に私が疲れそうだわ」って言われた(笑)
院内保育所の役割はこれからもっと大きくなると思います。院内保育所があることで、当院で働くことになる医師が生まれることに繋がれば幸いです。女性医師が仕事を続けながら、安心して子育てができるようサポートしていきます。